沖縄を旅していると、サトウキビ畑の風景に出会うことがあります。風にそよぐ緑の葉、甘い香り。あるいは市場で目にする鮮やかな紫の紅芋、道端に生える野草のフーチバー。それらは沖縄の「原風景」であり、この島の食文化を長年支えてきた素材です。そしてそのすべてが、キビまる豚の飼料に入っています。
■ 食べたものが、肉になる
豚肉の味を決める要素は、血統、環境、そして飼料です。中でも飼料は、肉の風味や脂の質に直結します。
一般的な豚の飼料は、トウモロコシを主体とした配合飼料です。効率よく育てるために設計された飼料は、安定した品質をもたらす一方で、個性を生みにくい。どこで育てても、似たような味になっていきます。
福まる農場が選んだのは、その逆でした。
沖縄にしかない素材で、沖縄にしかない味を作る。6年以上の試行錯誤の末に辿り着いた独自ブレンドの飼料は、サトウキビの糖蜜、紅芋、そしてフーチバーと長命草という薬草で構成されています。
■ 3つの素材が、肉に何をするか
サトウキビの糖蜜は、脂身にまろやかな甘みとコクをもたらします。精製される前の糖蜜には、ミネラルや有機酸が豊富に含まれており、単なる甘さではなく、深みのある風味を生み出します。あの脂の上品な甘みは、ここから来ています。
紅芋は、肉質を柔らかくする作用があります。鮮やかな紫色の芋が持つ成分が、脂肪の白さを際立たせ、見た目の美しさにも影響を与えているとされています。
フーチバーと長命草は、沖縄で古くから薬草として親しまれてきた植物です。豚特有の獣臭を抑え、抗菌・抗酸化作用によって豚を健康に保つ役割を担っています。キビまる豚の肉に臭みが少なく、アクが出にくい理由のひとつがここにあります。
■ 風景が、味になる
旅の途中で目にしたあのサトウキビ畑。那覇の市場で手に取った紅芋。沖縄の野原に自生するフーチバー。
それらが、豚の体を通り、肉の味になっています。
「食べたものが体を作る」という言葉は、人間だけに当てはまるわけではありません。キビまる豚が食べているのは、工場で調合されたものではなく、この島の土から生まれた素材です。だからこそ、口に入れたときに感じる何かが、沖縄の旅の記憶と重なるのかもしれません。元々、昔ながらの豚の飼育では飼料として、特産品のあまりものや残飯、中には化学物質を多く含むものまでを与えてきているところもあると、過去の歴史を調べると出てきます。キビまる豚はそういう観点からも、飼料には体に悪いものは入れるべきではない、というこだわりを持って育てています。
観光地で食べた一皿が、旅の風景と結びついて心に残る。また、キビまる豚を飼育している福まる農場のこだわりも含めて、SEE THE SEAがキビまる豚を選んだのは、そういう食体験を届けたかったからでもあります。
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