SEE THE SEA select & resortは、沖縄・瀬長島ウミカジテラスにあるカフェ&セレクトショップです。私たちがキビまる豚を選んだ理由を語る前に、まず沖縄という島と豚肉の関係を、少しだけ紐解いてみたいと思います。
■ 「鳴き声以外は、すべて食べる」
沖縄に伝わる言葉があります。
「鳴き声以外はすべて食べる」。
他の地域でも豚を食べる文化はあります。でも沖縄のそれは、どこか質が違うと感じます。食の「量」としてではなく、暮らしの「核」として豚が存在してきた。ラフテー、ソーキ、テビチ、ミミガー、中味汁——。沖縄料理の代名詞的な料理のほとんどは、豚のどこかの部位でできています。
それは偶然ではありません。
■ この島に豚が来たのは、約600年前
諸説ありますが今から約600年前、中国から豚が沖縄に渡ってきたとされています。「牛や馬の肉を食べてはいけない」という掟の説や、人々の生活を充実させるための説のある中で沖縄では、豚は自然と食の中心になっていきました。
その血を引く在来種と言われるのが、アグー豚です。小柄で、脂身が多く、成長が遅い。生産効率という点では、お世辞にも優秀とは言えない豚ですが、その肉質には独特の甘みとコクがあります。長い時間をかけて、この島の気候と人の暮らしに馴染んでいったとされる豚でした。
しかし戦後、その均衡は一度崩れます。
■ 戦後、ハワイから白豚がやってきた
食糧難の沖縄を救うため、ハワイの沖縄県人会が白豚を送り届けてくれました。発育が早く、たくさんの子を産む西洋豚。養豚農家や一部の一般家庭でも、こぞって白豚を育て始め、やがて沖縄からアグーの姿は消えていきました。
絶滅寸前になったアグーが復活するのは、1980年代のことです。詳細は諸説あるため割愛しますが、10年以上かけて戻し交配が繰り返されました。
一方、白豚の文化も沖縄に根付いていきました。現在の沖縄では、アグー系のブランド豚と、白豚をルーツに持つブランド豚が共存しています。アグー豚、あぐー豚、紅豚、パイナップルポークあぐー——。その数は実に多く、それぞれに農場の哲学と、沖縄の土地の恵みが宿っています。
■ 私たちがキビまる豚を選んだ理由
SEE THE SEAが取り扱うのは、キビまる豚という白豚系のブランド豚です。アグーではなく、あえて白豚を選んだのには、理由があります。
「理屈より先に、体が良いと感じる」。
それが私たちの選ぶ基準であり続けてきました。いくら歴史や希少価値があっても、一口食べて心が動かなければ意味がない。逆に言えば、口に入れた瞬間に何かを感じたなら、それが答えです。
キビまる豚と出会ったとき、私はそれを感じました。なぜそう感じたのか。その話は、次の記事でお伝えします。
■ あわせて読みたい